フラクタルは20年余り前にフランス人のマンデルブローによって考え出された 概念です。コンピュータによる計算によってつくる図形ではマンデルブロー集合図 形とジュリア集合図形が特に有名でおもしろいものが多く発表さています。また、 パソコン用のソフトウエアも何種類か発表されています。
複素力学系とよばれているものの中でマンデルブロー集合図形は複雑でおも しろいものの代表格でしょう。自己相似性を持つこの図形はどんなに拡大して いっても元と同じような図形が現れていく不思議な図形です。この図形は、 Z(n+1)= Z(n) * Z(n) + G (Z,Gはともに複素数) で初期値 Z(0)=0 としたとき、|Z(n)|が無限大に発散しないような定数Gの集合が マンデルブロー集合といいます。
黒い部分がマンデルブロー集合 この部分は収束する部分である。 おもしろい図形は境界部分に現れる。 |
Z(n+1)= Z(n) * Z(n) + G (Z,Gはともに複素数) において|Z(n)|が無限大に発散しないような初期値Z(0)の集合を充填ジュリア集 合といい、この集合の境界をジュリア集合といいます。マンデルブロー集合と同 じような性質をもっており親戚の集合です。
充填ジュリア集合 | 充填ジュリア集合 |
(G=0.3+0.02i) | (G=0.35+0.35i) |
実際にパソコンでは、繰り返し計算をして収束させていきます。ある閾 値をこえるまで繰り返し計算をおこなっていき、打ち切り回数に達しても 発散しないときは収束するものとします。この時、発散の速さに応じて着 色するときれいなパターンが現れます。
上の充填ジュリア集合のまわりを 発散の速さに応じて着色したもの がこの図である。 繰り返し回数 n=100 (G=0.3+0.02i) |
数学的には色は無関係であるため、発散の速さに応じて適宜着色します。 この着色方法によって同じ図形でもが全然違ってみえます。パソコンのプロ グラム上でいかに表現するかが腕のみせどころです。 また、収束の判定をする判定式を変化させてみるとパターンが変化します。 さらに、複素計算をする元の式を変えてみることによってもおもしろい図形 ができる場合があり、おもしろい図形の隠れている場所をさがしだすのは楽 しい作業です。 できている図形を眺めることも楽しいですが、自分で図形を創っていくこと はさらに楽しいことです。
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